九州住環境研究会

長寿命

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開口部の断熱・遮音・紫外線遮断の重要性。

従来の施工の常識は、熱の出入りが最も激しい窓は、小さく施工して熱ロスを出来るだけ防ぐという事でしたが壁よりも断熱性能が高い「トリプルガラスサッシ」の出現で断熱・遮音・紫外線遮断が同時に可能になりました。今でも我が国では、アルミサッシの複層ガラスが主流になっていますが、住宅の開口部をアルミサッシで製作しているのはきわめて日本的な事情によります。欧米ではアルミサッシが使用されるのは高層建築のみで一般住宅にアルミサッシが使用されることはまれです。なぜならばアルミサッシは熱伝導率が非常に高く、樹脂サッシや木製サッシと比較すると実に1,000倍も大きいからです。最近ではアルミサッシメーカーも樹脂サッシを主流にし始めています。

その① アルミと樹脂・木製サッシではどれが良いの?

アルミサッシは住宅用としては不向きなことを紹介しましたが、木製サッシと樹脂サッシは性能的にはそんなに極端な違いはありません。採用するガラス性能で違いが出てきます。

その② メンテナンスや経年変化の問題は?

木製サッシは経年変化があり定期的な交換が必要ですが、樹脂サッシはメンテナンスも交換の必要もありません。メンテナンスの伝統がない我が国の事情を考慮して、樹脂サッシを採用しています。

【ハイブリッド・エコ・ハートQ】は樹脂サッシを標準採用しています。複層ガラスを標準採用としていますが、更に断熱仕様を高めた「ゼロ・エネルギー・ハウス」(17P参照)にする場合には、トリプルガラスの樹脂サッシを選択する事もできます。いずれもLow-Eガラスでガス入りの高性能ガラスを標準装備にしています。

高性能樹脂サッシ+遮熱Low-E複層ガラスが標準装備。

【ハイブリッド・エコ・ハートQ】の様な高断熱工法で必要不可欠な素材が高性能樹脂サッシです。高性能樹脂サッシはヨーロッパでもメンテナンスが必要な木製サッシに置き換えられて、住宅サッシの主流になりつつあります。メンテナンスになれていない日本人には、メンテナンスフリーの樹脂サッシが最も適しています。結露を呼び込むアルミサッシに換わって樹脂サッシを採用している工務店は、徐々に増えてきていますが、最近では、更に性能を高めたトリプルガラスサッシの採用も増えています。【ハイブリッド・エコ・ハートQ】では、お施主様の求める断熱性能に合わせて、複層ガラスかトリプルガラスの選択を行っています。

樹脂サッシとアルゴン入り複層ガラス

「ハイブリッド・エコ・ハートQ」は、複層ガラス樹脂サッシを標準装備にしています。ガラスの性能向上によって、より高性能を実現することも可能になっています。開口部の選考基準は、躯体構造の断熱性能に合わせたバランスが重要です。開口部は熱の通り道で、壁面の性能を上げても太陽光などの赤外線が、ガラス窓から簡単に侵入して来ていましたが、Low−Eガラスやアルゴンガスの封入で、現在では太陽光赤外線や紫外線も遮断できるようになっています。

樹脂サッシとトリプルガラス構成

Low-E複層ガラスバリエーション

※材料には蓄熱部位として計上出来る[有効厚さ」が設定されています。材料の容積算定時において材料の厚さが有効厚さ以上の場合は、有効厚さまでのみを計上することが出来ます。これは、有効厚さ以上の材料の蓄熱効果は小さいことを意味しています。熱が伝わりやすい材料ほど有効厚さは大きくなります。

Low-E複層ガラス構成

樹脂サッシの性能を引き出すためには、複層ガラスの場合も遮熱性能を高めたガラスの採用が不可欠です。複層ガラスの内部側にLow-Eという特殊金属皮膜を貼りつけて太陽光線や紫外線の侵入を防止します。更に、複層ガラスの内部にはアルゴンガスを封入し、複層ガラスの内部で対流を起こさないようにして、断熱性能を高めています。それが「ハイブリッド・エコ・ハートQ」の標準装備です。

Low-E・2層トリプルガラス構成

Low-Eガラスとは「低放射ガラス」といい、ガラスの内部表面に特殊な金属膜をコーティングした複層ガラスのことです。室外側へのコーティングで遮熱性能、室内側へのコーティングで断熱性能を高めます。金属膜を室外側、室内側の内側に施工するとさらに放射熱が遮断されるために、日射遮蔽効果、断熱効果が高くなり夏の暑さ対策、冬の暖房効果が高まります。壁と同等の性能を持つ最強のトリプルガラスです。

国内最高水準の樹脂サッシ【トリプルシャノンⅡ】の採用も可能になりました。アルゴンガス封入、遮熱皮膜2層の超高性能ガラスもラインアップしています。住宅の外皮から逃げる熱ロスの最も大きな割合を占める開口部も、トリプルガラスの登場で、壁の断熱材をしのぐ性能の開口部も可能になりました。窓の気密・断熱性能が上がると、空気の流れが遮断されるので、付随して防音性能も高くなり、防犯性や安眠環境も向上します。

建築的手法による省エネルギーについて

【冬期の暖房エネルギーと照明エネルギー削減の為の採光の確保】

①開口部の壁の上部に配置し、プライバシーに配慮しつつ居室の奥まで自然光を取り入れる。②南面の窓の面積を広く確保する。③北側・南側に可視光透過率に優れた窓を採用。④縦長の形状の窓を多く採用し、照度を上げる。

住宅全体をエアコンで行う低温空調暖冷房

【開口部の方位に応じた遮熱措置】

日射熱取得率や可視光透過率等が異なる窓を開口部の方位に応じて使い分け、遮熱・採光をコントロールしています。

【夏期夜間や中間期などの冷房エネルギー消費削減と快適性向上の為の通風措置】

①居室の壁面一面に面積比1/20以上の外部に面する解放可能な開口部が設置されている。②当該居室の隣部屋(廊下等の非居室を含む)に面積比1/20以上の外部に面する開放可能な開口部が居室の開放部と異なる方位で設置されている。③居室の天井に、シーリングファンを設置し、撹拌を行っている。

騒音を大幅にカット、安眠を守る開口部性能。

開口部には、断熱・気密性能と共に求められる重要な性能があります。それは、安眠を保証する遮音性能です。標準採用の高性能樹脂サッシは、複層ガラスでも遮音等級JIST-1(25)をクリアしており、25dbの遮音効果があります。かなり騒音の高い繁華街や幹線道路に面していても安眠に必要な騒音レベルまで低下させます。トリプルガラスはそれ以上の効果が期待出来ます。