九州住環境研究会

No.107 住宅建築+EVが選択の時代に!
太陽光発電の売電に頼らない、エネルギー自活時代に最も貢献する選択肢!
EV(電気自動車)の航続距離が350〜570kmに拡大し実用範囲に。

2019年2月23日更新


安心のリチウムイオンバッテリー容量保証。

EVの先駆けとなった三菱自動車のミーヴや日産リーフの発売から、約8年の歳月が刻まれましたが、当初は見向きもされなかったEVもようやく実用段階に入り、地球温暖化によるガソリンやディゼル車に変わり自動車の主流になろうとしています。それはバッテリー技術の進化で、日産リーフの場合は、40kWhバッテリー搭載車に加えて、新たに62kWhバッテリー搭載車をラインアップしています。これはバッテリー技術の革新的な進歩で「バッテリーセル内の単位面積あたりのリチウムイオン高密度化」と「バッテリーモジュールおよびパックの内部構造の最適化」により、まったく同じ室内空間や荷物の積載スペースを確保しながら、優れた使いやすさを維持しています。
バッテリー容量低下の抑制や耐久性の向上などにより、バッテリーの高寿命化を実現させています。
これにより、バッテリー容量を8年、航続距離16万kmを保証しています。巨大市場の中国で始まった環境対策に連動し、自動車のEV化は、一気に世界の自動車メーカーをEVの流れに引きずり込んでいます。

新築住宅とEVは、切っても切れない関係に?

住宅新築に際して、今まで勧められてきた「太陽光発電」は、電気エネルギーの取得による「省エネルギー」だけという時代は、もう終了してしまいましたが、住宅のエネルギーを自活し、なおかつ地球環境の保全を考える場合、新築住宅に太陽光発電を設置する、という流れを止めては行けません。原子力や火力発電に頼らない、クリーンエネルギーを最も安価に得る方法は太陽光を始めとする、風力や水力、地熱発電など、地球環境を汚さない自然由来のエネルギー源の活用しかありません。
太陽光発電の搭載価格は、年々下がり、化合物系のCISでは1kWhで20万円程度で、4kWhの搭載ならインバータを含めて100万円程度で設置が可能です。これにEVを繋ぐことで、住宅の電力とEVの燃料が確保できます。このシステムでも充分に魅力的ですが、自動車用のパワコン(パワーコンディショナー)を設置することで、EVに蓄電した電気も活用出来ます。
現在はまだ、自動車用のパワコンが高いとすれば、低価格になってから連結するとしてもEVの燃料と家庭用電力だけで充分に採算が取れます。
EVの満タン状態の電池は、普通に家庭で生活する電力の一週間分くらいの蓄積量がありますから、震災などに際しても不自由なく普通の生活が可能です。
またEVとガソリンの燃費はガソリン車1000km、14,000円に対し、EVでは、同じ1000KWで1,280円と圧倒的な差があります。しかも環境負荷が全くないのです。

使用済みのバッテリーでも大丈夫なの?

EVに使用されているリチウムイオン電池は、劣化すると自動車の初期始動や航続距離が短くなり、使えなくなりますが、出力は大きく変わらないので定置型蓄電池に使用するのであれば、問題無く使えます。
オランダのアムステルダムのサッカースタジアムでは、夜間照明用の蓄電池として、自動車の中古バッテリーを大量に設置して大規模蓄電システムを稼働させ、グランド照明に使用しています。
この蓄電システムは、日産のEV「リーフ」の使用済みバッテリー148台分を使用し、出力3メガワットの商業施設用バッテリーとしては、欧州最大です。
数千世帯分の電力を溜めることが出来、イベント時には非常用電源として使用可能で、普段は近隣の電力網の安定に使用されているようです。
蓄電システムをEV電池再利用に組み込む意義は大きく、廃車となったEVの電池はメーカーに引き取り義務があり処理しなければならないので、EVで使用出来なくなった電池を再利用することで、最終処理に必要な資金を回収できることで、車両価格の引き下げにも繋がります。

未来を考えた住宅建築の基本は、高性能住宅。

本年10月からは、消費税が10%に変わります。益々、住宅は高くなり買いにくくなりますが、住宅は性能が悪いと様々な弊害を起こします。
その最も重要なのは、家族の健康被害です。住宅は新築したからといって、性能が良くなるわけではありません。
「全館空調」などの設備が付いているのだから高くて当然、とは思わないで下さい。
寒さ暑さを機械力に頼ろうとすれば、様々な設備が取りつけられることで、省エネルギーは愚か、住宅は恐ろしい金食い虫に変身する場合もあります。
設備に頼らないシンプルなシステムの住宅を選択するべきで過剰設備の住宅は、メンテナンスや設備交換にお金が掛かります。今回は、太陽光発電とEVについて紹介していますが、それを全て実現して下さいとは言いません。第一に住宅性能の高い住宅を建てる。第二に、太陽光発電を5kW程度取りつける。
第三にEVを考える、と言うような将来のストーリーを考えて住宅建築を計画して下さい。
高性能住宅の目安は、補助暖冷房も含めてエアコン2台程度で暖冷房が可能な事が目安です。

エナジーベネフィットとノンエナジーベネフィット

断熱性能と設計設備を同時に考えることで、どのような恩恵が得られるのでしょうか?
松下孝建設では、高断熱住宅の利点を「EB(エナジー・ベネフィット)」と「NEB(ノン・エナジー・ベネフィット)」という二つのカテゴリに分類しています。
EBとは、エネルギー面の効率が良く、光熱費などコストが抑えられるという意味です。
地球温暖化をこれ以上進めないためには、EBによる省エネルギーは非常に重要ですが、この様な金銭的にも得をするEBだけではなく、その住宅に住む人々にも視点を当てているのが、NEBで、温熱環境が改善されることを表します。
ただ単にエネルギー効率を良くし、光熱費を抑えるだけでなく、その家に住む人々が住宅が原因で起こる、手足の冷えや肌のかゆみなど、健康面の改善やさらに安眠のために必要な遮音性など、エネルギー効率以外のすまいの安全性・健康面などを表すのがNBEです。
EB・NEBは世界的な住宅性能の基本です。冷暖房のエネルギーがどの程度削減できるかだけでなく、室内温度、環境性能がどう変わるかも含めて住宅性能を考えなくてはなりません。
私達は住宅を建てることで地球環境にまで、コミットしています。
松下孝建設は、私達が生活するために汚してきた地球環境を少しでも綺麗なままで、子供達に引き継ぐ為に、住宅の高性能化が必要だと考えています。