九州住環境研究会

No.145 今後の住宅ローン金利は、どうなるか?
「建てるべきか、建てざるべきか」シェークスピアを気取っている場合ではない!」
いつまでも「コロナ禍」は、続きません。金利の動向が上げに転じる予兆が?

2021年2月26日更新

我が国から発信する「フイルム型・太陽光発電、緑の電気。

コロナ禍の今、以前から住宅建築を考えていた皆様は「建てるべきか、建てざるべきか」お迷いのことと思います。今回は、こうした皆様のために現在の金利動向が、建てる方向に働いているのか中止の方向に働いているのか、その見極めとなるデータを紹介いたします。主な銀行の直近の住宅ローン金利を見ると、まず変動金利は小幅な動きで2020年末以来、変動金利は市場の短期金利に連動し、短期金利は日銀のマイナス金利政策でマイナス圏での推移となっているため、引き続き大きな変動はなさそうです。

2021年現在、10年固定の基準となる長期金利はこのところ0%近辺を推移しており、各行とも大幅な動きは見られません。5年固定も小幅な動きですが、大手銀行が2ヶ月連続で金利を引き下げ、一部主要銀行でも1%を切る水準となりました。1月には「フラット35」が3ヶ月ぶりに低下するなど、金利引き下げの動きが目立っています。

長期金利が「アメリカ」の動向で、上昇気味に触れ始めた?

アメリカに民主党のバイデン政権が誕生し、立て続けに政策変更で長期金利の上昇に拍車をかけています。バイデン大統領のもとで財政出動が拡大し、国債が増発されるとの観測が広がり、年明けからの1週間で米長期金利の上昇幅は0.2%を超え、日本でも年明け以降、日経平均株価がバブル期以来の高値を更新するなど、株価の上昇が続いています。このまま長期金利が上昇基調に転じるとの見方もありましたが、一方ではコロナワクチンも開発され、1都3県に発出されていた緊急事態宣言も予定通り3月7日で終了できるようです。

日銀も金融緩和を続ける姿勢を変えておらず、住宅ローン金利が上昇する局面があっても上昇幅は限られるようです。時間的な余裕があれば、表・2で示しましたシミュレーションに数字を入れて考えておかれることを進めます。

借りられる目安と返済額のシミュレーションが重要です。

住宅の金利を10年前と比較するとその差は1%近い差があります。同じ金額を借りたとしても金利が低くなりますが、例えば、「フラット35」で5千万円借りたとしてシミュレーションすると現在の金利ならば、10年前の毎月返済額が2万8千円以上も減り35年間の総返済額は約千百59万円もの差額になります。また返済額が同じだと金利が低いだけ借りられ金額も増えます。仮に15万円の返済とすると現在の金利では10年前よりも約792万円も多く借りられます。

自分が現在、いくら借り入れが可能かは、今の家賃や住宅用の積み立て額を基本にして計算できます。住宅の頭金は貯蓄額に親などから贈与額を加え、当面必要な教育費や生活費、購入諸経費を差し引けば計算できます。