九州住環境研究会

No.81 住宅ローンの借り方と諸費用?
リーマン・ショック以来、停止していた「フラット35」保証型が復活、その用途。
「フラット35」と民間融資で考慮が必要なのは、諸費用の違い!

2016年11月30日更新


住宅ローンの、基本的な考え方。

住宅を建てると言うことは、ほとんどの方にとって、一生に何度もない大きな買い物です。
人生の方向性を決めるライフプランにおいて「住宅資金」は、「教育資金」「老後資金」と合わせて「人生の3大資金」とも言われ、最も重要な決断を下さなければならない時でもあります。但し、ライフプランに係わる大金が必要となるのは、住宅取得時だけではないことも念頭に置かなければなりません。「教育資金」「老後資金」が、その後に控えているからです。住宅建築が、その最初の試練である場合は、益々慎重に考えなければなりません。特に融資を受ける場合は、なおさら慎重に、最も有利な方法での借り入れが重要です。住宅資金は、住宅だけではなく諸経費も必要であることを認識しておく必要があります。

国が関与する住宅融資と民間住宅固定ローン。

住宅ローンには、契約時の金利が固定される固定ローンと時代の経済状況に合わせた、民間の変動型がありますが、公的な融資を行う住宅金融支援機構では「フラット35」という全期間固定型住宅ローンを手がけています。低金利時代の現在では、契約すれば完済まで超低金利の恩恵が生かせます。
民間型の変動制は、例えば10年固定型等というように、10年間は低金利が保証される仕組みになっていますが、10年後はその時々の金利が適用されることになります。多くの市中銀行は、住宅金融支援機構の代理業務を行っているために、「フラット35」と混同される場合が多いのですが、固定金利の住宅ローンは、公的融資の「フラット35」が専売特許ではなく、民間にも固定型の住宅ローンがあります。
表・1は、三菱UFJ信託銀行の「全期間固定型」と「フラット35」の比較です。固定型の公的な融資と民間の固定型融資の違いは、諸費用の違いで、この差は比較的に大きいのです。

事務手数料・保証料・団体信用生命保険料に注目。

民間銀行の独自ローンは、一般的に手数料と保険料が必要ですが、団体生命保険料(団信)の保険料に当たる費用はありません。「フラット35」では、保険料は不要ですが、融資手数料は取扱金融機関によって差があり、さらに団信の費用は、返済額とは別に、原則年払いで負担しなければなりません。
諸費用の総額は意外に大きく、例えば「フラット35」借入期間21〜35年、融資率9割以下)と三菱UFJ信託銀行の35年固定と比較してみると「フラット35」の金利は1.03%と三菱UFJ信託銀行 を0.01ポイント上回るだけですが、消費用を含めた総支払額は200万円以上も大きくなります。これは一例で、信託銀行の融資審査は厳しく、最優遇金利で借りられる人は少ないとしても条件にかなう方には選択肢になります。
メガバンクの融資例を紹介致しましたが、鹿児島銀行をはじめ地元の金融機関でも、住宅融資に特化した融資商品を開発している場合もありますから、住宅建築のご計画があるならば、是非一度、弊社のホーム・アドバイザーにご相談ください。皆様のご希望に合わせた融資条件をご提案できることと思います。

頭金がある場合は「フラット35」保証型も選択肢に。

消費税の引き上げの延長で来年までは、8%の消費税で建築できますが、金利もこれからは上昇していきます。10%の消費税率は、決して少なくはありません。高額な資金を必要とする住宅は、かなり負担が増えます。せめて、消費税や金利が再上昇する前に、住宅建築を考えてはいかがでしょうか?
現在のような金利状況は、異常な状態です。安倍政権が2%のインフレターゲットを設定して、日本経済を動かそうとしていますが、更に物価が上昇していく中で、住宅建設に資金を回すことは非常に困難です。低金利時代の今こそ最後のチャンスなのかも知れません。
消費税引き上げ前の駆け込みに間に合うならば、最大の幸運なのかも知れません。この様な時代は、二度と来ないと思った方が良さそうです。

建てるなら、高性能住宅を建ててください。

「フラット35」は現在、買い取り型と呼ばれるタイプが主流ですが、その仕組みは、住宅金融支援機構が民間金融機関の住宅ローンを買い取り、証券化して機関投資家に販売しています。この場合、ローンの中身がバラバラでは、証券化商品にならないので金利や融資手数料以外の商品性は、どの金融機関でも同じになりますが、保証型は各金融機関が証券化し住宅金融支援機構は、万一の返済不能に備えた保険を引き受けることになり、基本的な融資の商品構成は各金融機関が行うため、金融機関の商品開発の工夫の余地が大きくなります。保証型はリーマン・ショックの余波などで2014年から扱いが停止していましたが、このところの超低金利を背景に復活しています。
今後は、保証型が増えて「フラット35」でも商品内容が多彩になる可能性もあります。現在「フラット35」の保証型を商品化しているのは、日本住宅ローンとアルヒで両社とも、住宅購入価格の80%までの融資(自己資金20%以上)を条件に低金利を適用しています。
日本住宅ローンは、提携企業のみの指定融資で論外ですが、アルヒの場合は、そのような縛りはありません。アルヒの11月の適用金利は、通常の「フラット35」よりも0.1%低い年0.93%で、団信加入時は0.3%の金利を上乗せする必要がありますが、通常の団信よりも負担額を小さくしているため、総支払額は少なくなる仕組みになっています。 保証型は、一定の性能基準を満たす住宅に使える「フラット35s」や「フラット35リノベ」(全面リフォーム用)などの金融優遇制度とも併用できます。
松下孝建設の住宅は「フラット35s」仕様ですから一考に値します。ただ、保証型は購入金額の20%の頭金を支払う必要があるので、それで全く預金が0%になる場合には、お勧めできません。万一借り入れ直後に病気や失業などの収入がたたれる事態が発生したりすると直ぐに行き詰まってしまうからです。
住宅建築をお考えの方は、松下孝建設にご相談ください、住宅建築から資金計画まで全てをサポート致します。