ハイブリッドの名前のように外断熱と内断熱のダブル断熱工法が高性能化の要になっています。断熱材は水に強いスチレン系断熱材を採用し、更に高性能を追求する場合には、スチレン系断熱材の最高品質「ラムダ」を採用します。主に天井断熱を採用し天井断熱もスチレン系断熱材を採用しています。基本的に床断熱を使用し、お施主様のご希望や用途によっては、基礎断熱も行っています。壁・天井に採用されるスチレン断熱材には、遮熱面材を施工し低ます。壁面断熱の構成は、構造用面材の無機質素材のダイライトの上に外断熱のスチレンを施工し、柱間には内断熱のスチレンが施工されます。断熱性能と共に高い気密性能が生まれます。
一般在来工法や2×4工法で多く採用される断熱工法は、グラスウール・ロックウール等の繊維系断熱材を使用する内断熱工法です。
繊維系断熱材は、水を吸うという特長があるために、室内面に防湿フィルム等で完璧に防湿対策を採らないと壁体内結露を引き起こす危険性があります。
スチレンやウレタンボードなどのプラスチック系を利用し、屋根や壁、土台、床下までボード状断熱材でスッポリ覆う工法です。
この工法の特徴は、小屋裏を利用することが可能な工法で、断熱材も水を吸わない断熱材を使用するため、一般的な内断熱工法よりも有利な点もあります。特に出隅・入り隅の少ない北方型の住宅には有利です。
欠点としては、断熱材の上に外壁材を施工するために、重さで断熱材がはがれて、気密性を損なったり、構造躯体が弱いと、地震などの横揺れで、断熱材同士がぶつかりあってお互いにつぶしあい、復元性がないので断熱材と断熱材の間に隙間が出来てしまう危険性があります。
断熱材の ランク |
熱伝導率λ (W/m・K) |
材 料 名 | 熱伝導率 | 密度 (kg/m3) |
規 格 等 |
---|---|---|---|---|---|
A-1 | 0.052~0.051 | 吹込み用グラスウール(施工密度13K、18K) | 0.025以下 | 約13・18 | ー |
A級インシュレーションボード(9mm) | 0.051以下 | 9 | ー | ||
シージングボード(9mm) | 0.051以下 | 9 | ー | ||
A-2 | 0.050~0.046 | 住宅用グラスウール断熱材 10K相当 | 0.050以下 | 約10 | ー |
吹込み用ロックウール断熱材 25K | 0.047以下 | 約25 | ー | ||
B | 0.045~0.041 | 住宅用グラスウール断熱材 16K相当 | 0.045以下 | 約16 | ー |
住宅用グラスウール断熱材 20K相当 | 0.042以下 | 約20 | ー | ||
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板4号 | 0.043以下 | ー | ー | ||
A種ポリスチレンフォーム保温板1種2号 | 0.042以下 | ー | ー | ||
C | 0.040〜0.035 | 住宅用グラスウール断熱材 24K相当 | 0.038以下 | 約24 | JIS A9521-2003 |
住宅用グラスウール断熱材 32K相当 | 0.036以下 | 約32 | JIS A9521-2003 | ||
高性能グラスウール断熱材 16K相当 | 0.038以下 | 約16 | JIS A9521-2003 | ||
高性能グラスウール断熱材 24K相当 | 0.036以下 | 約24 | JIS A9521-2003 | ||
高性能グラスウール断熱材 32K相当 | 0.035以下 | 約32 | JIS A9521-2003 | ||
吹込用グラスウール断熱材 30K、35K相当 | 0.040以下 | 約32、約35 | JIS A9523-2003 | ||
住宅用ロックウール断熱材(マット) | 0.038以下 | 30〜50 | JIS A9521-2003 | ||
ロックウール断熱材(フェルト) | 0.038以下 | 30〜70 | JIS A9521-2003 | ||
ロックウール断熱材(ボード) | 0.036以下 | 40〜100 | JIS A9521-2003 | ||
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板1号 | 0.036以下 | 30以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板2号 | 0.037以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板3号 | 0.040以下 | 20以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種押出法ポリスチレンフォーム保温板1種 | 0.040以下 | 20以上 | JIS A9511-2006R | ||
建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームA種3 | 0.040以下 | ー | JIS A9526-2006 | ||
A種ポリエチレンフォーム保温板2種 | 0.038以下 | 20以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種フェノールフォーム保温板2種1号 | 0.036以下 | 45以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種フェノールフォーム保温板3種1号 | 0.035以下 | 13以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種フェノールフォーム保温板3種2号 | 0.035以下 | 13以上 | JIS A9511-2006R | ||
吹込用セルローズファイバー断熱材25K | 0.040以下 | 25以上 | JIS A9523-2003 | ||
吹込用セルローズファイバー断熱材45K、55K | 0.040以下 | 45K、55K以上 | JIS A9523-2003 | ||
吹込用ロックウール断熱材 65K相当 | 0.039以下 | 60以上 | JIS A9523-2003 | ||
D | 0.034〜0.029 | 高性能グラスウール断熱材 40K相当 | 0.034以下 | 約40 | JIS A9521-2003 |
高性能グラスウール断熱材 48K相当 | 0.033以下 | 約48 | JIS A9521-2003 | ||
A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板特号 | 0.034以下 | 27以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種押出法ポリスチレンフォーム保温板2種 | 0.034以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種硬質ウレタンフォーム保温板1種 | 0.029以下 | 35以上 | JIS A9511-2006R | ||
建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームA種1 | 0.034以下 | ー | JIS A9526-2006 | ||
建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームA種2 | 0.034以下 | ー | JIS A9526-2006 | ||
A種ポリエチレンフォーム保温板3種 | 0.034以下 | 10以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種フェノールフォーム保温板2種2号 | 0.034以下 | 35以上 | JIS A9511-2006R | ||
E | 0.028〜0.023 | A種押出法ポリスチレンフォーム保温板3種 | 0.028以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R |
A種硬質ウレタンフォーム保温板2種1号 | 0.023以下 | 35以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種硬質ウレタンフォーム保温板2種2号 | 0.024以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種硬質ウレタンフォーム保温板2種3号 | 0.027以下 | 35以上 | JIS A9511-2006R | ||
A種硬質ウレタンフォーム保温板2種4号 | 0.028以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R | ||
B種硬質ウレタンフォーム保温板1種1号 | 0.024以下 | 35以上 | JIS A9511-2006R | ||
B種硬質ウレタンフォーム保温板1種2号 | 0.025以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R | ||
B種硬質ウレタンフォーム保温板2種1号 | 0.023以下 | 35以上 | JIS A9511-2006R | ||
B種硬質ウレタンフォーム保温板2種2号 | 0.024以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R | ||
建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームB種1 | 0.026以下 | 25以上 | JIS A9526-2006 | ||
建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームB種2 | 0.026以下 | 25以上 | JIS A9526-2006 | ||
A種フェノールフォーム保温板2種3号 | 0.028以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R | ||
F | 0.022以下 | A種フェノールフォーム保温板1種1号 | 0.022以下 | 45以上 | JIS A9511-2006R |
A種フェノールフォーム保温板1種2号 | 0.022以下 | 25以上 | JIS A9511-2006R | ||
高性能硬質ウレタンフォーム保温板2種2号 | 0.021以下 | 32以上 | JIS A1412-2 |
この表は、断熱普及促進連絡会議に加盟する、各団体の物性値表から主だったものをまとめたものです。 2007年11月 出典:断熱普及促進連絡会議
断熱材の施工法を間違えると結露が発生してしまうことについてはすでに述べましたが、 断熱材は厚ければ厚いほど良いというものでもありません。例えば、グラスウール断熱材などで、 冬に断熱材に蓄熱された熱があるとすると、過度に断熱施工している場合には、 なかなかその熱が抜けないということがあります。 更に物質には、人間を含めて遠赤外線を放出する性質があります。 断熱材の中にはその放出量が多いものもあります。したがって冬は暖かくて快適だけれど、 夏暑いという現象が生まれてきます。断熱材の量は、あまり厚すぎてもいけません。 例えば、春先の少し寒いときにはカーディガンで充分なのに 厚手のコートを着ると逆に不快になるのと同じ現象が起こります。 断熱材は適度に、自然の輻射熱や対流が気持ちの良い温熱状況を作り出すような程度の断熱材で充分なのです。 過ぎたるは及ばざるが如し。
躯体の強さと断熱材の施工には、大きな関係があることを先に述べましたが、 建築当初は高い性能であるとしても、経年変化で住宅の断熱性能が低下する住宅では、意味がありません。 特に台風や地震などで、住宅はいつも揺らされることを想定して下さい。 揺れに強い確かな構造を持つ住宅でなければ、断熱性能も気密性能もすぐに落ちてしまいます。 「ハイブリッド・エコ・ハートQ」では、このようなことから開発思想の一つに高耐震をうたっています。 揺れても充分なクリアランス(隙間)を設け、そこが気密不良にならないように工夫した 「断熱壁パネル」を採用し、高耐久性構造躯体と高断熱・気密性能「断熱壁パネル」の融合で、 理想的な住環境をお約束いたします。