九州住環境研究会

No.254 住宅建築の「タイミング」を考える。
住宅を建てようと決意する理由は、年代によってその目的が微妙に異なります。
若年者の場合は、結婚が契機になる場合が多いようですが、高齢者は高性能住宅を求める場合も多くなります。

2025年9月26日更新

住宅建築を決意した年代や資金計画などを国の統計資料から探る。

表1・2は「国土交通省・住宅市場動向調査報告書」の資料です。表3は「住宅金融支援機構・住宅ローン利用者調査」から住宅建築を行った人々の、年齢や返済額、住宅取得の理由などの動向を調査した資料です。
この資料を参考にして、住宅建築のタイミングについて考えてみましょう。初めてマイホームを購入する人(住宅の一次取得者)の平均年齢は、戸建・マンションにかかわらず30代後半~40代前半となっています。

物件種別では、新築住宅は30代、中古は40代が多いという傾向がみられますが、これは住宅ローンと関係があります。住宅ローンは、返済期間が最長で35年間で定収入のある期間、つまり定年の65歳までに完済するなら、30代前半までに住宅を購入するのがベストです。

金融機関の審査でも年収は、資金計画を考えるうえで重要なポイントで初めて住宅を購入する一次取得者の世帯年収は、表・2によると、一世帯あたりの全国平均年収は808万円。新築分譲マンション(集合住宅)だと840万円。中古マンションを選んだ世帯だと668万円となっています。多くの銀行では、完済時年齢を80歳としています。逆算すると、35年ローンを組めるのは購入時で40代前半までということになります。
住宅ローンの審査では、年収の情報だけでなく、返済額とのバランス(返済比率)が確認されます。

一般的には、「1年間の返済額(利息含む)が年収の35%以内」としている銀行が多いようです。ただし審査では、利息は後々の金利上昇を見込んで、現実の適用金利よりも高めに設定されています。主要都市銀行では、3~4%程度として計算している銀行が多いようです。

2025年現在の適用金利は固定金利でも1%台ですからこれをベースにする場合「1年間の返済額が年収の20~25%以内」として計算すると、銀行の審査基準と似た金額になります。住宅一次取得者の返済負担率は注文住宅で19.4%、リフォーム住宅で8.4%と、どの物件種別においても20%以内に収まっています。

ライフステージから考えられる「家を買うタイミング」とは。

「家を買った平均年齢は30~40代」で30代〜40代は、結婚・出産・子育て・子どもの進学などライフステージの変化が多い年代でもあります。
表3の「住宅金融支援機構」の調査によると20代、30代の住宅取得動機として多いのは「結婚や出産」をあげる人が最も多いという結果に、さらに、住宅に対する希望としては、若年層と高齢層の希望として「性能の高い住宅に住みたい」という動きが出ています。

若年層としては、省エネルギーに通じる高性能を求めているようですが、高齢層の性能に対する思いは、人生最後の住宅に対する快適性を求める希望で、重いものがあります。住宅は本物の高性能住宅を最初の一棟目で建ててください。そうすれば老後まで安心して暮らすことができます。金利面や資材面では、常になんらかの問題があり、最善のタイミングは、常に有り、常に無いような現状です。

景気が良くなれば金利は上昇しますし、景気が悪くなれば給金は減ります。どこで決断するか、それは景況感や金利ではなくライフサイクルに従った決断しかありません。ただし、老後にもう一度、高性能住宅に住みたいと希望するような住宅だけは選択しないでください。
九州住環境研究会は常に快適な「100年住宅」をお建ていたします。