九州住環境研究会

ハイブリッド・エコ・ハートQ

太陽光発電の仕組み。

ソ一ラ一ハウス

太陽熱を利用する家「ソーラーハウス」には、太陽熱集熱器など機械 的な仕掛けを住宅に持ち込んで、 積極的に太陽熱を集めて給湯や暖房に利用する「アクティブソーラーシステム」と、 機械的な装置を使用せずに、建築的な工夫だけで太陽熱利用を図る「パッシブソーラーシステム」があります。 「パッシブソーラーハウス」は、太陽熱を得るために外部動力によるファンやポンプを使用しないで、自然の力を利用するシステムです。
住宅の窓から入射する太陽光や壁に当たる日射熱を暖房に効率よく利用し、 自然対流・熱伝導・輻射だけで熱の輸送・蓄熱・放熱をおこなわせようとするのが、 アクティブなシステムと根本的に違うところです。
また、アクティブとパッシブの手法を併用するソーラーハウスを「ハイブリッドソーラーハウス」と呼んで区別する場合もあります。 いずれのシステムも建物の高断熱・高気密化は不可欠です。

太陽光発電システム

住宅用太陽光発電システムは、住宅の屋根に太陽電池を設置し、そこで発生した直流電力をインバータによって交流電力に変換して、 安全かつ容易に家庭で電気を発生させて、電気エネルギーを自給自足によって賄うことのできるシステムです。 すべてのシステムを完全自動運転でおこない、さらに家庭で余った余剰電力は電力会社に買い取ってもらうこともできる、経済的なシステムです。
この太陽光発電システムとソーラーシステムを組み合わせたソーラーハウスの実用化が進行中であり、 太陽光発電システムに加えて太陽熱給湯システムを付加することで、さらに電力や給湯・暖房に総合的な経済効率を高めることができます。

太陽光発電システムの構成
太陽光発電システムの構成
電気の流れのしくみ
太陽光発電システムの電気の流れ 日本における太陽電池の平均発電電力量
晴れた日の昼間(日射量の多いとき)

家庭の消費電力を上回る電量が得られ、余剰電力は自動的に電力系統に逆送電され、電力会社に売電できます。

朝夕・曇りの日(日射量の少ないとき)

発電量が少なくなり家庭内の消費電力を賄いきれない為、不足電力を電力会社から供給を受けます。

雨天・夜間(日射量のないとき)

ソーラーインバータは自動停止して発電されず、電力会社の電力で家庭の消費電力を全て賄います。

住宅一戸当りの太陽光発電電力量

太陽光発電の太陽電池を住宅の屋根に設置するとどのくらいの電力が賄えるか。 日本の平均日射時間が3.84時間であるから、下記の設計例から一日当たり約23キロワット時の電力が得られ、 現実的には、インバータ損失や早朝や夕方の日照の弱い時間帯の損失を三割と見積もると、 1日当たり約16キロワット時となります。この値は、日本の一般家庭で消費される1日の平均電力量が約8キロワット時であるから、 約2倍に相当します。従って南側屋根全体に太陽電池を設置する必要はなく、半分の面積で家庭の電力を賄うことができます。

平均日照時間

気象庁の気象データによると、太陽エネルギーは一年間を平均化した場合、 晴天時1平方メートル当たり1キロワットのエネルギーで、太陽が一日当たり何時間照っているかに相当すると、 その時間は3.84時間になる。
つまり、一日の太陽エネルギーは、一平方メートル当たり3.84キロワット時になる。(単位KWh/m²) この平均化された日照時間を一日当たりの平均日照時間という。
日本の場合は、この3.84時間を平均日照時間として用いており、日照時間の長い赤道付近や砂漠では、 6~7時間にもなります。

1m²の太陽電池では

○1日当たり:1[kw/m²] × 10[%(変換効率)] × 3.84[h/日] = 0.384[kwh/m²]

○1年当たり:0.384[kwh/m2]×365[日]=140.16[kwh/m²]

日本の標準的な一戸建ての屋根面積は、建設省の統計で120m²であり、 南の屋根面積を半分の60m²として、そこに太陽電池を設置すると、 一日当たり:0.384[kwh/m²] × 60[m²] = 23.04[kwh]となり、 一日当たり約23キロワット時の電力が得られます。