施工工程

換気システムの配管

高性能住宅にとって換気は最も重要なものです。換気が不十分だと室内の空気質が悪くなり、不健康なばかりか住宅もまた長持ちしません。それは余分な水蒸気を排出できないために、結露の発生原因にもなってしまうからです。現代の住宅は、断熱材の施工が義務づけられ、高断熱・高気密施工は当たり前になってしまいました。24時間換気装置の設置も建築基準法で定められ、換気装置の設置されていない住宅も無くなりましたが、現在施工されている多くの住宅では、換気装置とは名ばかりの簡易的な換気装置の設置が多いのも事実です。その一つは、昔の換気装置と同じように壁に穴を開けて吸気、排気を個別の機械で換気する装置です。これをダクトレス第一種換気装置といいます。ダクトレス換気の場合は、取付は簡単ですが正確な換気は不可能に近いのが現実です。部屋の四隅は換気されないスペースになって、結露が発生したりゴミなどのたまり場になる可能性もあります。


配管が行われた後で、天井が施工されます。配管は天井に接触しないように施工され、換気装置の音などの問題を解決しています。


排気口は、クローゼットやトイレなどに設置され、汚れた空気を排気します。この写真は押入の天井に設置された排気口の例です。給気口は各部屋に設置され、24時間新鮮な外気を取り入れます。


24時間計画換気装置の換気風量は、室内の気積(空気の量)を計算して決められています。したがって換気装置は絶対に止めてはいけません。2〜3日留守にする場合でも止めてはいけません。換気装置が稼働していることで室内の空気質が守られる他、暖房や冷房も効率よく稼働させることが出来ます。室内に空気の流れを造り計画的に換気されることが理想となります。


写真は、2階天井の施工例です。換気配管の他にも電気の線や水道管が通っています。この様な複雑で面倒な工事をさけるために、ダクトレス換気装置が採用されますが、換気装置は、確実に換気が出来るダクト式換気装置が最も信頼性の高い換気装置です。


蛇のように伸び縮みするので蛇腹管といいます。コーナーでどうしても複雑なつなぎ方しかできない場合に採用されます。換気の配管は、住宅が完成した後では滅多に見ることが出来ませんが、この様な部分こそ建て主の皆様にはしっかりと確認して頂きたい部分です。


木が枝分かれしているような配管が理想的です。それは空気がスムーズに、抵抗無く流れていくからです。それによって計画的な換気が実現します。


断熱材を通過して施工される配管の部分は、しっかりと断熱されなければなりません。写真の先は断熱の外側になりますから配管には断熱施工が必要となります。この様にダクト式換気装置は、壁に穴を開けるだけのダクトレス換気装置の数倍の手間が必要です。しかしダクト式換気装置でなければ、正確な換気は保証できません。


2階に立ち上がっていく排気管の様子がよく分かります。また、1階の排気口に繋げられる分岐管の様子もよく理解して頂けることと思います。この様な手間のかかる配管が新鮮な空気質を保証してくれるのです。


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なぜ高性能住宅は得をするのか? 知らないと損をしますよ